サブカル系の地域格差と逆転現象
インターネットの普及に伴い、アニメ系コンテンツが地方でも気軽に楽しめる時代となりました。
かつて、首都圏と地方ではアニメコンテンツに明確な格差があり、地方在住のファンは苦い思いをしました。
90年代、オタク向けのアニメはテレビ東京の深夜枠がほとんどでした。
今や、一大産業と言って良い「新世紀エヴァンゲリオン」も、元々は深夜アニメです。
「テレビ東京」という名前の通り、この放送局は地方ネットがありません。
そのため、地方でサブカル系のアニメが見れるのは、ビデオレンタルに作品が並ぶかレーザーディスクの発売を待つ必要があります。
どっちにしても、放映から数カ月待つしかありません。
その間は、アニメ雑誌やネット記事などをチェックして、モヤモヤしながら過ごします。
わたしも若いころ、「テレ東アニメが見たい」という理由だけで、首都圏に引っ越したいと思った時期もありました。
近年は、サブスクの普及により、アニメを楽しむだけなら首都圏と地方にタイムラグはほとんどありません。
ですが、今だに首都圏と地方のサブカルコンテンツへの格差は存在します。
多くの企業・クリエイター・消費者が、現在でも首都圏に集中しています。
そのため、メジャーコンテンツの大小あらゆるイベントは、東京や人口の多い都市で開催されます。
わたしはFF14が大好きで現役のヒカセンですが、「ファンフェス」も「エオカフェ」も「オケコン」も地方で生で楽しむ事はできません。
こんな流れの中、人気アニメに登場した地方が「聖地化」する現象がありました。
それまで、1日数人しか訪れない地方の観光地に、作品のファンがドッと押し寄せます。
最初は半信半疑だった商店会や自治体も、やがて「聖地現象」の恩恵を確信し、萌え系コンテンツは町おこしの定番手段となりました。
町おこしは、地方にとって死活問題です。
60代の老舗店オーナーが、萌えキャラを本気で応援する姿は、地方で孤独感の中にいたオタクにとって、真の推しコンテンツとなっていきました。
わたしは、「地方の萌え系コンテンツ」が本当のサブカルなのではないかと、感じ始めているところです。