作品タイトルにおける情報圧縮
『「悪役令嬢モノ」はなぜ流行った?』の中で書いていますが、テンプレ作品が増える理由は、設定説明を省けるのが利点と思います。
これは、作品タイトルにも表れていて、「異世界転生」と書いていれば9割はファンタジー世界が舞台ですし、「ハーレム」と書いていればお色気な描写が入ります。
これは、圧縮された情報といって良いと思います。
情報圧縮の手段のひとつとして、「データ内で繰り返し現れる情報は、短い情報に置き換えて伝達する」というのがあります。
「あけましておめでとうございます」を「あけおめ」と略すみたいなものです。
作品タイトルに入った、たかだか4~5文字の言葉で、作品のジャンルや設定をある程度説明してしまう文化は、なかなか凄いのではないかと思います。
ですが、テンプレ化が進みすぎて逆に説明を盛り込んだため、やたら長いタイトルの作品が現れたのは、ちょっと皮肉な事かもしれませんね。